節分・立春も過ぎ、暦の上では「春」ということですが、まだまだ寒い日が続きますね。
京都は昨日、今シーズン初の氷点下となりました。今までが暖かすぎたのかもしれませんが「本来の冬ってこうだよなぁ」と寒さが一段と身に沁みます。
みなさまも、どうか風邪など引かれませぬように、ご自愛くださいね。
さて、画像ですが。
これは長野県の木曽地方に伝わる「すんき」という漬物です。
塩や調味料をいっさい使わず、乳酸菌の力だけで発酵させた珍しいお漬物です。
今年はこの「すんき」をお取り寄せして食べています。
私は子どもの頃、この長野県の木曽地方に住んでいまして、冬になると祖母がよくこの「すんき」を食べていたものです。
当然私たち孫にもすすめてきましたが、正直当時は苦手でした。なぜかというと、本当にとにかく「酸っぱい」。酸っぱい以外の味がしません。
ばあちゃんはシンプルに味噌汁に入れて食べたり、かつおぶしと醤油をかけて食べたり、そのまんま食べたり、本当にたくさん食べていました。
その姿を、半信半疑で眺めていたなぁと思います。
木曽のおばあちゃん。少し頑固で怒るとちょっと怖くて、でも寒い冬でも外で子どもたちのスキーやそりにずっと付き合ってくれた。そんな時は、丸いほっぺが真っ赤だった。
相撲と野球の巨人が大好きだったばあちゃん。90歳以上まで長生きして、数年前に亡くなりました。
大人になってからは木曽にはあまり行けなかったので、葬儀で久々に木曽の冬を体験したら、本当に本当に寒くて。でも、美しい木曽の冬でした。
そんな寒い寒い木曽地方で、冬の間だけ限定で作られるのがこの「すんき」という漬物。
子どもの頃は苦手だったけど、今となってはなんだか祖母や木曽の記憶とあいまって懐かしくて、ときどき「食べたいなぁ」と思うようになりました。
それに加えて、調べてみるとこのすんき、いろいろすごい!体にいいらしいということも分かってきました。それでますます食べたくなり、今年は思い切ってお取り寄せをしてみました。
すんきのいいところは、何と言っても「塩分が入っていない」ということですね。
塩や調味料を使っていない漬物は、日本ではこのすんきだけらしいです。
塩分を気にせず、お漬物特有の植物性乳酸菌は摂ることができるという、素晴らしいお漬物だなと思います。
また、塩分が入っていないので、私の場合は朝から塩辛いものを食べるのが苦手なので、そんな時にもこのすんきはとてもありがたい存在です。
たしかに、酸っぱい味しかしませんが、大人になって食べてみると、この酸っぱさもなんだかさわやかでいいなと思えるようになりました。
木曽の伝統野菜である赤カブの葉・茎を原料にしているので、もちろん食物繊維も摂ることができますね。
菌活というのはよく言われるようになり、私もぬか漬けをやっていますが、植物性乳酸菌は日本人には合うみたいなので、いろいろ積極的に摂り入れていきたいですね。
添付のパンフレットによると、すんきの乳酸菌の効能は、
*抗アレルギー活性(Th1/Th2バランス改善)
*IgA抗体産生促進(感染症の予防)
*ピロリ菌の生育抑制(胃がんのリスク軽減)
*抗変異原活性(発がん物質の除去)
などだそうです。(出典:木曽町令和元年度長野県発元気づくり支援金事業)
医学的なことは難しくてよくわかっていないのですが、あのなんてことない、ばあちゃんがよく食べていたすっぱい漬物が、こんなスーパーフードと言っていいくらいのすごい食べ物だったとは。驚きです。
とはいえ、私の食べている量はそんなに多くないですし、すぐに効能があるとは思わないのですが、体には確実にいいんだろうなと思って食べるだけでも、なんだかありがたい気持ちになりますよね。
これからは、毎年冬になったら「すんき」を取り寄せて木曽やばあちゃんに思いを馳せながら、ありがたくいただきたいなぁと思っています。
なお、あとから知ったのですが、たまたま最近友人から教えてもらった豆乳グルト。
これ、実はすんき由来の植物性乳酸菌を使っているそうです。よく見たら、内蓋に書いてあったわ。だいぶあとから、気が付きました(笑)。
言われてみれば、あの豆乳グルトのすっぱさは、すんきのすっぱさによく似ている気がする!
豆乳グルト、おいしいですよね。乳酸菌まで100%植物由来にこだわっているところがすごいと思います。
伝統食がこんな風に現代の技術と融合して、新たな食品に生まれ変わっているなんてすごいなぁ。
日本の伝統食って、これからも研究が進んでいったら「実はすごかった!」みたいなのがもっともっと増えそうな気がしますね。
奥が深いですね~。おもしろいです。
今回は、長野県の木曽地方に伝わる「すんき」というお漬物についてでした。
みなさんも、機会がありましたらぜひ食べてみてくださいね。
ではでは、このへんで~^^