動物と共に暮らす身として、やはりこの問題に関して、無言を貫くわけにはいかないと思い、記事を書くに至りました。
実を言うと、こういった動物虐待の問題に関しては、あまり積極的に記事を読んだりするのが、できないタイプです。
なぜならば、辛すぎるからです。
そして、現状がなかなか打開されない歯痒さを感じてしまうからです。
でも、こんな甘えたことを言っていてはいけませんね。現実を見ていかなくては。
そして、大きな問題として取り上げられた今こそ、解決へと大きく前進する機会と捉えるべきです。
感情的にではなく、現状の何が問題で、社会の中でどういう仕組みを作っていくべきなのか、建設的に考えなくてはいけません。
そこで、自分なりに調べたり学んだことを記事にまとめてみましたので、宜しかったらご参考にしていただければ幸いです。
(記事を書いているうちに、どんどん学ぶべきことが増えてしまい、今はまだとても勉強不足で、まとまらない記事になってしまいましたが・・・。)
社会問題として取り組んで行こう
まずは海外の事例を参考に、日本のペットをめぐる現状について見ていきます。
ペット大国フランスでは、2024年からペットの生体販売が法律で禁止されることになりました。
news.yahoo.co.jp
なぜこのような法律ができたかと言うと、実はペットと暮らす人が多い反面、ペットを捨てる人も後をたたないためだそうです。
その理由が、バカンスにペットを連れて行けないから、捨ててしまうということだそうです。
なので、フランスのペットショップ事業者は、「問題のすり替えだ!」と反発しているとのこと。
一方で日本はどうでしょうか?
日本の犬猫殺処分数は、保護団体やボランティアさんたちの献身的な努力により、野良犬や野良猫が減ってきたため、以前よりかなり減ってきています。
しかし、同時にまだまだ多い現状です。
環境省_統計資料 「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」 [動物の愛護と適切な管理]
現在でも年間、一万何千頭という犬や猫が行政により殺処分されています。(いかに、それまでが殺処分数が多かったかとも言えます。)
特にコロナ禍でペットを飼う人が増えた反面、コロナが明けて手放す人も増えたそうです。これは本当に残念で悲しい現実です。
日本もフランスも、結局同じ問題を抱えているということになります。
また、これは日本において、もっともっと深刻な話。今回のクーアンドリク問題の中核。
ペットの流通過程における死亡数というのは、正確に把握されていません。
www.asahi.com
流通中というのは、ペットショップで買主が現れるのを待っている間に、飼育環境が悪いために亡くなってしまった犬や猫ということです。
おそらく、商売としては子犬や子猫しか売れないために・・・・・ということも、業者によってはあるでしょう。
このことからも、ペットの生体販売がいかに問題であるかということが言えると思います。
ペットショップがファッションビルの隣にある違和感
先日、久方ぶりに街中に出ましたら、京都で一番賑わう大通り沿いにペットショップが新たにできていて、とても違和感を感じました。
ペットを飼うということは、買い物ついでにかわいくて衝動買いしてしまうファッションのような簡単なことではいけないと思います。
日本でペットの生体販売事業者になるためには、登録(自治体への届け出と動物取扱責任者を置くこと)は必要ですが、免許制にはなっていません。このあたりに、問題があるかもしれません。
また、場所に関わらずどこにでもペットショップが出店できるというのも疑問に感じます。
このように、ペットが衝動買いできてしまう環境が比較的簡単に整ってしまう現状に、違和感を感じていただきたいです。
ペットと暮らすというのは、想像以上に大変なことも多いです。
たとえば猫は、仔猫のうちは家を空けられなくなります。
よく、猫は自立してるから留守番でも平気、と言われることが多いですが、これは大きな誤解を生んでいると思います。
(この辺りはまた、別の記事に書きたいと思います。)
私もsnsをやっていますので、ついつい猫たちのかわいい写真ばかりのせてしまいます。でも、このことも少し気を付けなくてはなと感じています。
知らず知らずのうちに、安易なペット飼育への衝動を招いていたかもしれません(影響力の大小に関わらず。)
飼ってみたら思っていたのと違った、となっては動物も人間も不幸です。
大変なこともたくさんある、でもそれ以上の愛を受け取れる、ここをセットで伝えていかなくてはいけないと感じました。
どのような法律を作っていけば良いか
クーアンドリク問題は悪徳業者を責めるだけに終わらせてはいけません。
いかにして、不幸な動物を減らしていくか、即ち人も動物も幸せな社会を目指していくか?が、問題の本質です。
重要なポイントは、人も動物も、です。どちらかが欠けてはいけません。そうでなくては、持続可能ではないからです。
そのために、社会の中できちんとルールを作る、法律を整備していくということも大きな観点になります。
日本のペットに関する法律でもっとも大きな問題は、ペットが「物」とされていることです。
ゴミ屋敷問題でも同じですが、他人の所有物には行政といえど手出しできない、という原則があり、それにより行政が介入しにくいのが問題でした。
ゴミ屋敷問題に関しては、数年前から行政が介入しやすくなり、少しづつ問題解決へ向かっています。
そして、ペットに関してもようやく、改善が見られたようです。
これにより、悪徳業者への行政介入が以前よりはかなりしやすくなるのではないでしょうか。
しかし、現場判断にはなりますので、やはり行政担当者の力量が問われることになります。
ペットショップが生体販売をやめたその先について
フランスのようにペットの生体販売を禁止した場合、廃業したペットショップはどうなるのでしょうか。
実はここが法律の限界でもあり、難しさなのですが、ペットショップが廃業すれば、ペットたちが大量に残されてしまいます。
その受け入れ先が決まらないということで、ペットショップを安易に廃業させられないという問題があります。
また、そもそもですが、生体販売禁止の法律ができたとしても、悪徳業者が即座に消えて無くなるわけではありません。
場合によっては、ペット売買の闇サイトみたいな形で地下に潜られては、逆に事態が悪化してしまいます。
ではどうすれば良いのかというと、生体販売以外の道を示してあげることです。
pettimo.com
そして、生体販売以外の道を選んだ業者さんのことを応援してあげれば、後に続く業者がどんどん増えていき、やがてそれが普通になっていくといいですよね。
業者にもたくさんの従業員がいて、その家族がいます。その人たちから仕事を取り上げることになっては、それはまた新たな不幸を呼んでしまいます。
そして、業者の経営者たちにも、違う形で経営をしていき、社会にも貢献できる道があると分かれば、そちらの道を選んでいくはずです。
日本は再チャレンジがしにくい国だと言われることがよくありますが、結果としてそれが問題解決への最短で最良の道であるならば、再チャレンジを応援していくことも必要なのではないかと感じます。
まだまだ勉強不足で、足りない部分がたくさんあるかと思います。
どうすれば、動物たちを取り巻く環境を少しでも改善することができるのか。
引き続き、学んでいきたいと思います。
ひとりひとりの意識の変化が、状況を変えていくことにつながると思っています。
できることから、始めていきましょう!